Studio One Professional 「歌ってみた」のミックスの基礎 やり方
「歌ってみた」の為に有料版Studio OneであるStudio One Professionalを買った人は多いと思います。
他の有料DAWと比べるとかなり軽いためパソコンに高いスペックを要求しないというところは大きな強みですね。
高スペックなパソコンを持っておらず有料版Studio Oneを選んだ人もいると思います。
けれど、Studio One Professional買ったはいいけど「いまいち使い方が分からない!」という人も多くいるはずです。
そんな人の為に有料版StudioOneのStudio One Professionalを使用した歌ってみたのミックスについて解説したいと思います。
今回の説明ではStudio One Professionalに付属してくるものだけでのミックスの説明となります。
準備するもの
・カラオケ音源
・歌った音声データ(wav)
歌ってみたのミックスなので当然なのですが一応
分からない人は下の記事をどうぞ。
どんなデータを用意すればいいか分かると思います。
DAWにデータを読み込ませる
デスクトップやフォルダの中からドラッグ&ドロップするだけです。
この時点でトラックに名前を付けましょう。ついでにトラックの色も変えてあげると分かりやすいです。
自分はボーカルデータを「黄緑」、カラオケデータを「白」にいつもしています。
一番左に出ているフェーダーは左上の「i」ボタンを押しましょう。選択しているトラックのフェーダーやその他パラメーターが弄れるようになります。
クリップしないようにフェーダーを調節
クリップとは音が割れている状態のことです。データが壊れています。
フェーダーの音量メーターが赤い色になったり、マスターフェーダーに赤いランプが付いたら割れているということです。
それを防ぐためにフェーダーを下げます。
注意してほしいのはマスタートラックのフェーダーを下げるのではなく、他の「各トラックのフェーダーを下げる」ということです。
マスターフェーダーにスペクトラムアナライザをかける
スペクトラムアナライザとは周波数を視覚的に確認することができます。
StudioOneProfessionalには「Spectrum Meter」というソフトが入っています。
これは無料版のStudioOneには入っていません。
耳で分からなければ視覚的に判断します。が、「最終的には耳で判断すること」が大切です。
マスタートラックにインサートしておいてボーカルだけソロ再生させればボーカルがどこの帯域にいるかはっきり分かります。
ピッチ補正ソフトMelodyneを使い補正
有料版StudioOneにはピッチ補正ソフトMelodyneが付属してきます。
グレードはエントリー版の「Essential」
詳しい補正の仕方はこちらの記事にまとめました。
ボーカルの補正は最初の段階で行うと書いてありますが、イコライザー、コンプ、リバーブ等のエフェクトを使用し聴きやすくした状態で補正を行うのもありです。
イコライザー「Pro EQ」でローカット
StudiOneProfessionalには「Pro EQ」というイコライザーが付いています。そちらをボーカルトラックにインサートしましょう。
ミックスに置いてローカットは必須項目です。曲やボーカルの人によってどこまで切るのかというのはまちまちです。必ずしも「ここ!」というのはありません。
一番左下にある「LC」というのはローカットのことです。名前の通り「低い音(ロー)を切り(カット)」ます。
Freq(フリケンシ―)を上下させつつどこまで切るか決めましょう。
100hz以下は間違いなくカットでしょう。キック、その上にベースが基本的にはいます。邪魔しないようにばっさりカットします。
女性ボーカルのロックは300hz位までは自分は切ってしまいます。その後聴きながら調整します。
抜けをよくするために中高域をブーストさせたりします。
インサートとは?
エフェクトを掛けるところにはインサートとセンドとありますが基本的にはインサートです。
ここでは詳しいことは説明しませんがエフェクトは基本的にインサートでOKです。
詳しく知りたい方は「エフェクト」「インサート」などで調べればすぐに出てくると思います。
コンプレッサーの適用
次はコンプレッサーをボーカルトラックにインサートします。
有料版Studio Oneには「Compressor」というコンプレッサーが付属しています。そのままですね
コンプレッサーの使い方はここでは説明しません。コンプレッサーはコンプレッサーです。使い方は変わりません。
音量差が大きいと聴きづらいのでしっかりとまとめてあげましょう。
バイパスして元の音との変化を確かめよう!
バイパスボタンを押すことにより「エフェクトを掛ける前の音」と「掛けた後の音」で聴き比べることが出来ます。
バイパスボタンは各エフェクトの「左上」の方にあります。パソコンでいう電源ボタンマークの右隣りにあります。カーソールを暫く当てておくと「バイパス」と表示されるので確認してみてください。
無料版Studio Oneのコンプはどこ!?
無料版のStudio One PrimeではChannel Strip(チャンネルストリップ)というエフェクトについています。
左側の方にあるのですが細かな設定はできません。
ディレイで横の広がりを出す
Beat Delayをセンドに。
インサートではないです。これまでとは違いセンドです。
ディレイ、リバーブといった「空間系はセンド」に、「それ以外はインサート」にと覚えましょう。
ざっくり説明するとインサートは原音自体を変化させますが、センドは変化させた音と原音を合わせます。
空間系をそのままインサートにいれてしまうと原音を変化させてしまうのでとてもぼやけた音になります。
ピンポンディレイがいいですかね。ピンポンディレイとは左右から山彦のように聴こえてくるディレイです。
うっすらとかけてあげましょう。
センドにエフェクトを適用させる方法
意外と知らない人もいるので簡単に説明します。
センドという文字があると思います。その右側に「+」とあるのでクリックし「FXチャンネルを追加」を選択します。
そうするとセンドのところにFX1というものが追加されます。
一番右側にFX1というトラックが追加されましたね。「F3」又は右下の「ミックス」を押して確認してみましょう。
FX1を開いてみるとインサートというところがあります。そこに書くエフェクトを適用させます。
リバーブの適用
Studio One Professionalには空間系が強いと思います。多くの種類のリバーブ、ディレイが入っています。
おすすめなのは濃厚なリバーブ「Open Air」か部屋をシミュレーションできる「Room Reverb」です。
ディレイの項目で説明した通り空間系のリバーブはセンドに。
僕が好きなのはRoom Reverbです。左側の「Room」から部屋のサイズを決めることが出来ます。視覚的に部屋のサイズを確認できるのは嬉しいですね。
ローカットを掛けたり、コンプをかけさらにナチュラル且つ濃厚なリバーブをつくったり、ボーカルの抜けを良くしたりすることが出来ます。
ボーカルミックスの基本はここまで
ボーカルミックスの基本はここまでです。
あれ?と思った人もいるはずです。音小さくない?
はい。小さいです。ミックスの後にマスタリングという作業が残っています。
簡単に言うと音量を上げて迫力のある音にするということです。
正直に言うとStudio One Professionalだけではマスタリングは難しいと思います。
いやできない訳ではないです。
自分であればLANDRというサイトでマスタリングをしてもらいます。
今、話題になっているLANDRですが。簡単に説明すると人工知能がマスタリングをしてくれます。
数年後にはミックス、マスタリングすべての工程を人工知能が行っているかもしれませんね。
歌ってみたミックスの小技の紹介
Tips1.必要があればオケにイコライザーを適用
オケにイコライザーをかけます。基本的にはカットです。
ボーカルが聴こえ辛かったりする場合オケにイコライザーを適用します。
最初にマスタートラックにスペクトラムアナライザを適用させましたね。それを確認しながらカットしてみましょう。
Tips2.オートメーションで歌を聴きやすく
上記画像のようにボリュームオートメーションを引きます。声のアタックの部分の音量を上げてあげることにより聴き取りやすくなったりします。
自分でマスタリングまでしたい人の為に
追加でプラグインを購入することもできます。
一番必要になってくるのはダイナミクス系の「マキシマイザー」でしょうか。
おすすめなマスタリングプラグインを紹介しようと思います。
iZotopeのOzone
マスタリングと言ったら一番に名前が上がると思います。
無印のOzoneと、その上位版Ozone Advancedがあります。
これしか書きません!これでいいと思います!
おわり
長々とミックスについて書きましたが、これが正解という訳ではないです。どんなやり方でも結果が良ければそれでいいんです。そういうもんです。
ミックスは覚えることも多く面倒くさいですが少しずつ慣れていきましょう。
本当のこと言うとパラミックス(楽曲のミックス)を経験してほしいですが。
無料版Studio Oneについてはこちらの記事をどうぞ